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2012年11月10日土曜日

秋の苦悩

運動能力は「ほめて伸ばす」ことが実証されたそうだ。
能力自体が伸びるかどうかは定かではないが、経験上「ほめる」ことにより、その後の動きががぜんよくなったり(つまりハリキるわけだね)逆に、叱り飛ばすことによってパフォーマンスが著しく落ちる例もみてきているから、今さら「へぇ〜」なんて思わない。
昔のこんなやりとりを思い出した。

「おっしゃることはごもっともですが、ウチの子はほめて伸びるタイプなので...」(母)

「あのねー、サッカーのサの字も知らんア○に、イロハ伝えたいんだ!基本のキができていないのに、目つぶれないだろ。長所を伸ばせば短所は消える、というのとは次元の違う話ですよ」(某コーチ)

感情に支配されると、議論はできない。去っていったあの親子は、今はどこでなにをしているのだろう?

今なら、こんな風に語れる。

「いいですか、Jリーガーになることは、東大に入るよりずっと難しいのです。難関の入試を突破するためには、得意な国語や社会だけでなく、苦手な算数や理科も頑張らなくてはなりません。一流選手に求められているものは、攻撃(守備)だけではありません。とくに、日本選手のウリは守備に勤勉に走ることや、プランに忠実に規律正しく動くこと、ですから。本を読むことは大好きだが、九九はできません、という受験生は通用しません。サッカーも同じです。好きなこと、得意なこと、だけじゃなく、覚えねばならないこと、やらなければならないプレイが確実に存在しているのです。それができないうちは、厳しく言い続けますよ」

言ったところで、伝わらんだろな。ハナから平行線なんだから(笑)

今のチームの子どもたちにも同じことを思うんだ。先日も、3つのグループに分けて、2グループの対戦中に余った1グループに自主練をやらせた。
苦手な、逆足のキック が、低学年以下のレベルのヤツまでいるのに、やってることは 利き足のキック ばかり。
いったい彼らはいつ上達するつもりなんだろう?体格やパワーは歳月とともに確実にアップするが、スキルが自然にあがるわけでは決してないのに。
それとも、退屈でストレスのたまる反復練習を、いかに飽きずにやらせるかが指導者の腕なんだろうか。だとすれば今までは選手の向上心に助けられてきたってことか。

時代が変わったのか、クラブが変わったからなのか知らないが、指示待ち
の子どもたちがあたりまえになり、言わなければなにも変わらない彼らとともに今に生きる以上、私も変わらなければならない。

秋が深まり、夜は長くなった。杯をかさねても答えは見つからず、苦悩は深まるばかり。きっと明日も下痢だろう。








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