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2015年10月26日月曜日

受け継がれるスピリット

いつもならとうに寝ているはずの夜10時過ぎ、たまたま起きてたら懐かしい名前から1本の電話が入った。

「ご無沙汰しています。遅くにすみません。 教員試験に合格し、春から小学校の教師になることが決まりました」

まだ私が三十代のまっただ中のときに出会い、3年の時をともに過ごし、いい思いも、悔しい思いも共有した。
卒業していったのは、ちょうど10年前だ。
正直、スーパーな選手ではなかった。 市トレの推薦はしたが、一次であっさりと落ちてきた(と思う)
現在、J2の下位チームでちょこちょこ出てるヤツに比べれば、スピード・フィジカルで天地ほどの差があった。
ただ、今のCチームの面々(一部の選手だけだが)もがんばって提出している 星マーク表 を一番たくさん提出した、努力のカタマリだった。
練習のスプリントや対人プレイで、手を抜いてる場面をみたことは一度もなかった。
ミーティングのとき、いつ顔をみても真っすぐこちらをみている澄んだ瞳と目が合った。
公式戦やカップ戦で敗れると必ず涙をみせていた。 もしかしたら、あの学年の30名のなかで、もっともサッカーに対して真摯に向き合ってたヤツかもしれない。

アイツならきっといい教師になるに違いない。 たぶんサッカー部もいずれ任されるだろう。

二十代でこの道にはまり、気がつけば五十路がすぐ近くにやってきており、わたしに残された時間もずいぶん少なくなってきた。
けれど彼のように、私のスピリットをわずかでも受け継ぐものがいる限り、ニッポンのサッカーの枝葉の先っちょに、自分の血が流れてる気がしてちょっぴりうれしい。
たとえこの身が朽ち果てても、その精神が生きてさえいれば。


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