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2015年12月2日水曜日

かたいキズナ その2

小2のときからその才能にほれ込み、5年間手塩にかけて育てたやつがついにJの扉を開いた。

あふれるような素質をもつ者と関わり、たまたま大成したときに 
「やつは俺様が育てた」
と どや顔をする指導者は大嫌いだが、こと、こいつに限っては私がサッカー界から、そしてラモス瑠偉監督から感謝されていい。
だって幼いころは 「土日に全部サッカーばっかりなんてやだ! だって遊べなくなるじゃん」 と駄々をこねてた小僧を、なだめてすかして、引きずり込んだんだからな(笑)

Jリーガーとはいえ、J2だし、しかも下位だし、給料安いし、たぶん2年でクビだろうし(笑) ...はたして同期の就職組とどちらが人生設計立てやすいかわからんけど。
けどまあ、とりあえず応援するしかないわな。こいつ以前にJに引っかかったやつらのように、ドサまわりして、挫折して、路頭に迷ったら、俺が一番うらまれるからな。
早くこの国のサッカー界もプロ野球界のように、契約金で千万単位のカネが動くようにならんかな。 たった〇百万の支度金じゃ、母ちゃんに宝石も売りつけられん(笑)

それで記念してってわけじゃないが、あと数か月で社会人になるやつらとの飲み会が催された。
ハタチを過ぎて会うのは初めてなので、こいつらとは初めて酒を酌み交わした。
今の教え子たちよりも、はるかに優秀なやつらだったが、それでもひとりを除き全員がサッカーとは決別し、別の道を進む。
銀行員、商社マン、教師、美容師、販売店員、...それぞれが、新たなステージでのキックオフを迎える。

今の時代が若者にとって順風なものでないことはたしかだ。 けれども、それでも彼らならなんとかやっていける気がしてならない。
努力することの大切さ。努力を怠ったことへの後悔。運に恵まれ、不運に見舞われ、自分の能力ではどうにもならないことに打ちのめされ、それでも頼りになる仲間たちに救われる。
それらはすべて、フットボールが教えてくれた。 社会へ出ても同じだよ。 
十数年前に取り組んだ、愛するスポーツと同じ姿勢で仕事にのぞめ。 成功するかはわからないけれど、少なくとも充実した人生が送れるだろう。 
お前らはみな、俺のサッカー学校の卒業生だ。 どこに出しても恥ずかしくない、誇れる選手たちだ。

楽しかったよ。 素晴らしく、夢のような時間だった。

だから、 勘定ぜんぶ持たされたことなんて、まったく気にしてないさ (涙)(笑)

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