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2011年11月16日水曜日

ザックの選択 ‥&

昨日の北朝鮮戦はいろんな意味でよかった。
皮肉でなく、心底そう思ってる。
なにがって、まずひとつめは 負けた ことがよかった。勝負事だから勝つにこしたことはないのだろうが、無敗のまま最終予選や本大会に突入するよりも、一度「敗北」を経験した者のほうが「たくましさ」を身にまとう気がするんだ。
勝てば反省や修正も甘くなるし、打ちのめされたほうが本気で取り組めていいよ。

次に、清武のような若き才能に完全アウェーのゲームを先発で体感させた、ってのがよかった。彼の持ち味が出せたとは言い難いが、将来的には確実に必要な戦力だし、経験を積ませたのは絶対プラスになる。一方で栗原ら「使えない」選手を見極められたのも結果オーライだろう。彼らには気の毒だが、現時点では世界レベルで戦えないのが判明した。

遠藤や川島らの「温存」に対する批判はあるかもしれない。
が、「監督業」の端くれをかじった私にも、その意味が少しはわかる。

話しはそれるが、多くのチームにはだいたい レギュラー と ベンチ という境界線がある。一発勝負のトーナメントになればその線はさらに太くなり、ギリギリのゲームになればなおさら境目の溝は深くなる。だから、今回の「消化試合」の名目ならば、線は消され溝はあいまいになり、出番の少ない選手にチャンスは与えられる。
これを 温情や経験値の積み上げ ととらえる向きがあるが、実はまったく違うんだ。

かつて5年生の指揮をとっていたとき、単学年で30名を超える選手が集い、シビアにもABを区分けし、さらにそれを頻繁に入れ替えた。安泰なのは10人にも満たず、それ以外はつねに競争にさらされ、昇格の期待と降格の恐怖に怯える日々だった。

だからかどうかはわからない。ただ、選手は伸びてチームは強くなった。

そのときは、私の指導の賜物だ と思ってたのだが錯覚だった(笑)
同じメニューを施しても、別の学年やチームでは進歩の速度がまるで違った。

そうか、そういうことなんだ。

効率的なトレーニングメニューや劇的なコーチング ってのがホントにあるのか知らないが、それよりも「競争原理」の導入のほうがずっと効果があるんだろう。そして、下からの「突き上げ」があるからこそ、レギュラーも停滞していられないのだ。

ザックの選択は温存や温情などではない。バックアップメンバーの底上げなくして、代表のレベルアップはない と思ってるのだろう。

レベルは違い過ぎるけど、我がチームもそうありたい。今週末に、5年生が二人体験に来てくれるという。イレブンに満たなかった学年も、ようやく数が揃った。下の学年も交え、競争にさらされればよい。そこに真の成長が隠されている。ストレスを乗り越え、ポジションをつかめ。それこそが「選ばれし者」すなわち 選手 である。

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